古書や骨董が好きです。歴史など調べるのことが好きですが、結構あきっぽく中途半端です。素人ですが、見たこと、聞いたこと忘れないうちに書いておきたいと思います。
by ふく
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昭和11年玉筋魚飴煮

飯島幡司さんの『南窓集記』の目次を見ていて、
偶然「玉筋魚」の文字をみつけてしまいました。

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たぶん、先日の魚谷常吉さんが昭和10年に書かれた『滋味風土記』を見ていなければ読み飛ばしていただろうと思います。

こちらは、東京と大阪の社交倶楽部に集まる方々の話題とか雰囲気の違いをまず冒頭に語っておられます。大阪倶楽部に何かことのあるときだけひょっこりと顔を見せる千万長者の老人についてです。
(億万じゃなくて千万のところが時代を感じさせます)
この老人、財産を長男に贈与したものの、亡くなられて、自分が再度相続し、さらに三男に贈与して、三度相続税を払ったとかいって、満座笑い転げるようなタイプの大金持ちだったようだ。
以下イカナゴの登場するくだりを、引用してみましょう。

この翁にも道楽があって、有馬の別荘で作るところの山椒の実を煮て知己に分かつ。これを私もときどき頂戴した。近頃はまた塩屋の別称で漁れるイカナゴを飴煮にして方方の厨房を賑はしてゐるよしを披露して、さて、しみじみとした顔で、
「家内揃ふて山椒の実をよりわけてゐると、憂世はなれてええ気持だつせ」と仰せあるに人人また「よういはんわ」と笑ふ。
 それから数日ののち、思ひがけなくも、拙宅へイカナゴの飴煮が届いた。それに翁の自筆と思はれる色紙が添へてある。淡路島を前に六人の漁夫が裸で網を曳いているのどかな風景である。その上に
  いかなこの漁に賑ふ春の磯
と俳句のやうなものを書いて、その横に「召上り御意に候得ばわる口をいはぬよう」とのお叱りである。
 財千万を積んで齢古希を重ねても、朝晴暮雨これ世間のことと嘆いてはゐられぬところに人の世を柔げる愛嬌がある。 


(一一・四・二〇)と文末にあるので、昭和11年に書かれたものと思われます。
幡司さん、この時はどちらにおすまいだったのだろうか。やはり塩屋あたりでイカナゴを飴煮にしていたのだということがこの文章からもよくわかります。

すぐ悪くなるので、地元でしか食べられておらず、おすそわけの場合は飴煮など濃い味で調理するということだったのでしょう。
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by shukugawans | 2012-03-30 22:43
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