古書や骨董が好きです。歴史など調べるのことが好きですが、結構あきっぽく中途半端です。素人ですが、見たこと、聞いたこと忘れないうちに書いておきたいと思います。
by ふく
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畿内見物 大阪の巻

本好きの一家に育ちましたが、残念なことに戦災にあっていますので、
今残っているのは戦後の本ですが、古書で購入したのか、数冊戦前の本があります。
以前の家は地下に書庫があって、薄暗く湿度の高い場所でしたので、
本も傷みますし、そこに入って本を探そうという気になりませんでしたので、
家に昔からあった本を見るようになったのは最近のことです。

こんな本があったのかとびっくりしたのは金尾文淵堂
という大阪にあった出版社が出した『畿内見物 大阪の巻』という本でした。

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箱は失われており、

表紙は高いお堂のようなところから海の方向を見た図。
古風な図なのですが、海岸縁には工場の煙突から出る煙が描かれているという
ちょっと不思議な雰囲気です。

見返しは前のみで後ろは奥付の裏に貼り込まれていて
とりだせませんが、前が浪速踊りで後ろが住吉踊りのようです。
そんなに古くはみえないのですが、
奧付けをみると明治45年(1912)の発行とあります。

表紙の風景は高台にある社寺から見ているところから
上町台地ということはわかりましたが、
最初高津神社の絵馬堂かと思ったのですが、
ならば絵馬を書くはず。
戦前、大阪からはるか海をみわたせたお堂。
目次を見て、四天王寺の五重塔だとわかりました。
この塔、室戸台風で倒壊し、再建再び戦災で焼失と悲しい歴史があります。
今は再建されていますが、当時はこんなに遠くまで見渡せたのです。

今は確か毎月22日の聖徳太子の命日にのみ公開されていたように思います。
一度登ってみたいと思います。

ご興味がありましたら、下の近代デジタルライブラリーでモノクロですが読むことができます。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/765549/1

金尾文淵堂は明治から戦後まであった大阪の出版社で、
seitaroさんが以前に話題にだされた、
薄田無菫の『白羊宮』や与謝野晶子の『志ら玉姫』を出版しました。
 http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p10758386c.html

金尾文淵堂については『金尾文淵堂をめぐる人々』石塚純一という著作が紹介されていますが、この書籍については署名で検索すると、抄訳でしょうか、pdf化されて、ネット上で読むことができます。少し読んで見ると、先行研究として西宮ブログでもimamuraさんの記事によくでてくる足立巻一さんの「文淵堂・金尾種次郎覚書ー大阪時代」、高橋輝次さんの「金尾文淵堂 その人と仕事」などがあるようなこともわかりました。 ほかにもいままで興味がつのります。
 またいままで目にしたことのある杉浦非水による『非水図案集』、甲山の図でとりあげた赤松麟作の『阪神名勝図会』などがこちらから刊行されいたことも思い出しました。

さて、挿絵は中沢弘光(1874-1964) 東京美術学校を卒業後白馬会の創立に加わった洋画家で、官展を中心に活躍したとありますが、同じ方でしょうか。


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by shukugawans | 2013-03-17 12:01 | 古書のこと | Trackback | Comments(0)
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